【東京都足立区】若者向け自殺対策の取組 ~思春期向け特別授業「自分を大切にしよう」~

区内の小・中・高校生に対して、思春期向け特別授業「自分を大切にしよう」を実施しています。若者の死因の1位は自殺となっており、最近ではいじめ自殺の報道が大々的にされるなど、大きな社会問題となっています。足立区では、若者向け自殺対策の取り組みとして、区内都立高校から始め、現在では小学校・中学校においても本授業を実施し、自己肯定感を高めるメッセージや援助希求の大切さを伝え、将来にわたる自殺予防を目指しています。

本特別授業を実施する上で、以下のように様々な工夫を行っています。

  • 授業の実施により生徒からの相談が増加する場合を想定し、養護教諭と事前に打ち合わせを行い、連携をはかっている。
  • 特別授業時に配布している相談窓口カードは、高校生に携帯してもらえるように表紙を白にし、 エンボス加工にするなどデザインを工夫している。
  • 講義だけではなく、若者に興味を持ってもらいやすい様に手紙や歌という媒体を活用し、生徒が興味をもちやすい授業内容としている。

これまでの特別授業において、終了後のアンケートで以下のような感想をいただいています。

「今後、相手に対してどう接したら良いか考えさせられました。もっといい形の愛情表現を見つけられたら良いなと思いました。」

「悩んだりしたら、信用できる人に相談する勇気が出てきた。安心できた。」

「自分を傷つけても満たされないと改めて思いました。もっと自分を大切にしようと思いました。」

H.21~28年3月までの実施回数は高校19回、中学校36回、小学校13回(受講生徒数:延べ14,362人)となっています。

本特別授業の後、生徒からの相談割合が増加しており、また、区保健部門と学校との顔と顔が見える連携が強化され、子どもを含めた家族支援など個別支援においても連携が活かされていています。

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